あいつのWinなんか考えられない!:それでも考えるWin-Winとは

あいつのWinなんか考えられない!:それでも考えるWin-Winとは

「Win-Winが難しい相手とどう向き合うか?」人間関係において、相手のWinを考えたくないと感じることは誰にでもあるでしょう。特に、仕事の上司や家族など、避けられない相手との関係でこの感情が湧くとやっかいです。しかし、そうした状況でもWin-Winを追求する方法があります。この問いについて、『7つの習慣』を通じて考察します。


皆さん、こんにちは。
Life Quest Allianceの福永です。

先日、「7つの習慣・実践会」を開催しました。

その実践会の場で、参加者から非常に興味深い質問が寄せられました。

「相手のWinを考えたくないんですけど、どうしたら良いですか?」

多くの人にとって、この質問は共感できるものでしょう。
今回は、Winを考えたくない相手に対して、どう接していくべきかについてお伝えします。


Winを考えたくない相手というのは、多くの場合、あなたにとって「嫌な人」でしょう。
その人が「嫌な人」になった理由は、過去の経験からくるものかもしれません。
嫌なことをされたり、自分の感性に合わなかったりしたからです。

ここで重要なのは、「嫌な人」のレッテルを貼っているのは誰かということ。
仮に相手から嫌なことをされたとしても、その人が四六時中あなたに嫌がらせをしているわけではありません。
それは頻度の問題ではなく、その人はあなたと対峙していないとき、あなたのことを考えてもいないかもしれません。
嫌がらせをしたことすら覚えていないし、嫌がらせだったと思っていないかもしれません。
あなたが過去の出来事に囚われている間、相手は何も考えずに楽しんでいるでしょう。
その出来事に対して、恨みつらみを持ち続けて影響を与えているのは、嫌がらせをした相手ではなく、嫌がらせを受けた私たち自身なのです。

多くの宗教で「赦し(ゆるし)」が語られていますが、これは相手の過去の失敗を赦すことよりも、それに対する自分の怒りや根に持つ感情を赦すことだと私は解釈しています。
自分を赦すのであれば、それは自分でコントロールできること(『7つの習慣』の影響の輪の範囲)であり、絶対にできることです。
しかし、実際には自分の感情が絡むため、赦すという行為はとても難しくなります。
他人の感情はあしらえても、自分の感情はそうはいきません。
「赦し」は絶対にできることだけれど、簡単にはできないことでもあるのです。

書籍『7つの習慣』の第4の習慣は「Win-Winを考える」ですが、重要なのは、この習慣が「すべての関係においてWin-Winでなければならない」と強制しているわけではないということです。
人格者であるからといって、常にWin-Winを追求しなければならないわけではありません。
Win-Winを考えた結果、今回は無理と判断すれば、取引をしないこと(No Deal)を選ぶことも可能です。

冒頭の参加者のように、「あいつのWinなんか考えられない」と感じる人は少なくありません。
私にもそういう相手がいます。
しかし、そういう相手に限って、私たちの人生の中で関わり続けなければいけないことが多いでしょう。
会社の上司や家族など、簡単には避けられない相手である場合です。

このような場合、無理に感情を抑えて相手のWinを考える必要はありません。
前述のように、No Dealを選ぶことも一つの選択肢です。
今回はWin-Winを選ばないという判断も、問題ないのです。

しかし、『7つの習慣』は、困難な状況でも、まずWin-Winを考えることを求めます。
この場合に、相手のWinを直接考える代わりに、別のアプローチを考えてみました。
それは、相手との関係性における、あなたのWinを考えること。

具体的には、あなたにとって、相手がどのような人物だったら良いかを考えてみることです。
例えば、相手が仕事の上司であれば、「あんな上司ではなく”頼りになる上司”や”明確な指示をくれる上司”だったらなぁ」と、こういう上司だったらいいのにという妄想はできると思います。
それを相手のWinに当てはめます。
そうして、例えば、自分のWin「上司にレポートを行い仕事を完了させる」と相手のWin「頼りになる上司」をWin-Winにするために、あなたが何を伝え、何を頼れば良いのかを考えるのです。
このように、あなたにとっての理想の関係性を、相手のWinとして設定してみるのです。

もちろん、この考え方だけで、相手や関係性が即座に変わるわけではありません。
上司だからといって人格者とは限りませんので、頼った結果、自分で考えろと言われるかもしれません。
しかし、単に「嫌なあいつ」というレッテルを貼ったままで行うコミュニケーションよりは、良い結果を招く可能性は格段に高まるでしょう。
何より、Win-Winを考えようとする姿勢自体が、あなたの人格を育んでいきます。
そしていつの日か、あなたの影響の輪が広がり、周囲が自然と変わっていくでしょう。


「7つの習慣・実践会」は、参加者に答えを提供する場ではありません。
むしろ、『7つの習慣』を通して、参加者それぞれが自分の人生を深く考える場となっています。
このため、今回のような具体的な話をすることはほぼありません。

ファシリテータの役割は、参加者が『7つの習慣』の理解に困っているときに、より簡単な言葉や事例を使って理解を深める手助けをすることです。
さらに、参加者同士で書籍やワークの感想や気づきをシェアすることで、一人ではたどり着けない深い理解や新しい視点を得ることができます。

AIが仕事や生活に広がっていく現代において、人間だけが持つ人格の重要度は高まっています。
あなたもこの機会に、『7つの習慣』を通じて自己成長を図り、人格を磨いてみませんか?

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