部下育成の鍵:指摘しない育成方法で伸びる部下

部下育成の鍵:指摘しない育成方法で伸びる部下

「部下の成長が見られない…」と悩むリーダーへ。人材育成の難しさを感じる経営者やマネージャーは多いです。仕事を与えても、研修を受けさせても、なかなか成果が見えない。部下の成長を促す鍵はどこにあるのだろうか?心理学NLPに、そのヒントがあります。部下の行動をどのように評価し、どのようにフィードバックを与えるべきか。その秘訣をお伝えします。


多くの経営者やマネージャー、リーダーが人材の育成に悩んでいます。
仕事を与えたり、研修を受けさせたりしても、なかなか成長しない部下に頭を抱えることも。
しかし、心理学NLPにはそんな部下を伸ばすヒントがあります。
今回は、その中でも「フィッシュ」に焦点を当ててご紹介します。


現在、私がコーチングを習得したNLPプロフェッショナルコーチ認定コースにアシスタントとして参加をしています。

心理学NLPの中には「フィッシュ」というThanks Cardを送り合う習慣が存在します。
この「フィッシュ」は、イルカの調教をモデリングした技法です。
イルカが望む行動をした際に、調教師が餌を与える原理を取り入れ、相手が好ましい行動を示したときに感謝の気持ちを伝えるカードを贈ります。

心理学NLPに「意識が向いているところにエネルギーは流れていく」という前提があります。
失敗に対して指摘を行うと、相手はネガティブなエネルギーを感じることとなります。
「次回も失敗するのではないか」「また叱られるかもしれない」という不安から、全力での取り組みが難しくなったり、「自分は駄目なんだ」と自己評価が低くなったりしまうことがあります。
このような状態は、その人の総合的なパフォーマンスを低下させ、以前は出来ていたタスクにも影響を及ぼす可能性があります。

一方で、相手が望ましい行動を示した際に承認を与えると、ポジティブなエネルギーが相手に注がれます。
育てたい相手が望ましい行動を示したときは、迅速に承認を与え、一緒に「どうしてうまくいったのか」を分析しましょう。
私たちはしばしば失敗の原因を探ることはあっても、成功の要因を深く探ることは少ないです。
成功の背景を理解することで、その成功のパターンを他の場面にも適用し、総合的なパフォーマンスの向上を図ることができます。

しかし、常に好ましい行動を相手に期待することはできません。
思うように承認を与えることができない場合の方が多いでしょう。
それでも、日常の中での小さな取り組みや努力に対して、感謝の言葉を伝えることはできます。
「毎日◯◯してくれてありがとう」と伝えるだけでも、ポジティブなエネルギーを注ぐことはできます。
必ずしも大きな成果だけを評価するわけではありません。

NLPの「フィッシュ」には、好ましい行動に対する「タスク・フィッシュ」だけでなく、人間関係や存在そのものを評価する「リレーション・フィッシュ」もあります。
たとえば、騒がしいだけの人でも、「〇〇さんの存在でチームが活気づいています」と、その人の雰囲気や周囲に与える良い影響などを承認することができるのです。

人は、自分を評価してくれる人に対しては、より一生懸命に取り組みたくなります。
あなたも、自分を尊重してくれる人のために、最善を尽くしたいと感じることでしょう。
相手を動機づけるためには、まず相手の価値を認め、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
「リレーション・フィッシュ」は瞬時に効果が現れるわけではありませんが、長期的にはチームの絆や活力を高める効果が期待できます。
その日々の小さな努力の積み重ねが、真の人材育成に繋がるのです。


NLPプロフェッショナルコーチ認定コース3日目終了時、私は参加者全員に「フィッシュ」を贈りました。
まだコースの初めで、全員の行動を詳しく観察することは難しかったですが、その日に感じたポジティブな行動や雰囲気を「フィッシュ」として伝えました。
「今日も一日お疲れ様でした。次回もよろしくお願いします」とフィッシュとともに伝えると、参加者の皆さんは笑顔で感謝の気持ちを受け取ってくれました。
残りの7日間も、受講生の学びが最大限になるよう、楽しみながら全力でサポートしていきます。

なお、「そうは言っても指摘したいんだよ!」と感じる方は、以下の記事を参考にしてみてください。

サンドイッチ・フィードバック 自分を知る、他者を照らす:効果的なフィードバックの秘訣

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です