対立を乗り越える – ソース原理実践の秘訣

対立はWelcomeだ!ソース原理の提唱者ビーター氏の来日セミナーに参加し、人との対立について思考しました。対立を避けず、むしろ調和を導くために活用する方法を、ビジネスリーダーが知るべきポイントとしてご紹介します。


先日、「ソースプリンシプル(ソース原理)実践の夜明け」と題する、セミナーに参加しました。
ソース原理提唱者のピーター・カーニック氏が初来日し、年内に出版される本のプレ出版イベントとして開催されたものです。

ソース原理では、「リスクを感じながらも、創造性を発揮して、ビジョン実現化のための継続的なプロセスを始めた個人」をソースと呼び、その活動を始めた時を「ソースになる」と言っています。

どんな組織(会社、地域社会、家族)でも、ある一人の人のソース(ビジョン)を実現するために引き寄せられた人々で作られた場(クリエイティブフィールド)であると言います。

会社組織の場合は創業社長がいると分かる気がしますが、歴史のある会社だと一人の人のソース?という気がしていました。
しかし、セミナーの中でソースは継承できるし、その時にちゃんとバトンを渡すことが大切だとピーターがおっしゃっていました。
このバトンをちゃんと渡しきれていないと、ソースは前任者に残ったままになり、その組織は困難な状況に陥っていくのだと。

私もこれまでいくつかの組織を部下に継承してきましたが、振り返ればうまくソースを渡せていなかったであろう組織は、その後確かにうまく行っていなかった気がします。
これ、本当に大事だなぁと思いました。


さて、今回のセミナーを受けて考えたことはいくつかありますが、その中で対立について振り返ってみたいと思います。

ピーターは対立はWelcomeだとおっしゃっていました。
対立がなければ、それぞれが不満を心の中に押し殺しており、一見調和が取れているように見えても、それは表面的であると。

調和という言葉は「和を調える」ことです。
調えるとは、準備する、用意する、交渉や相談事を成立するなどありますが、望ましい状態にするという意味もあります。
対立は悪いことではなく、和を調えるためのプロセスの一つと言えるでしょう。
「和を以て貴しと為す」日本人にとって、対立は避けることではなく、むしろ必要なことなのです。

とは言え、対立して喧嘩別れしていては調和のプロセスとは言えません。
では、対話をどう使えば良いのでしょうか。

まず、我が『7つの習慣』では、第5の習慣で以下のように述べています。

相手のパラダイムや関心事を最初に深く理解し、その理解に沿って、自分の考えをはっきりとわかりやすく、目に見えるかたちで表現すれば、あなたのアイデアに対する相手の信頼は格段に上がる。

『7つの習慣』

対立とは簡単に言えば意見や信条の不一致です。
これを解消するには、

  • 相手のことを理解する
  • その理解に沿って自分の考えを述べる

第5の習慣のタイトル「まず理解に徹し、そして理解される」で表されるように、まずは相手の考えを深く知ることが大切です。
病院に行って診察も受けずに出された薬を飲む人はいないでしょう。
相手のことを理解していないなかで思い浮かんだ解決策は、私たちのただの思い込みなのです。

同様に、NVC(非暴力コミュニケーション)の提唱者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士はその著書で、

ニーズのレベルで人と人とがつながるとき、それまで解決不能に思われた対立でさえも、驚くほど解決可能なものに変わり始めます。

『「わかりあえない」を超える』

と、ここでも相手のことを理解することが大切と言っています。

さらに、心理学NLPでも「症状こそが解決策」とし、問題や自分の中の葛藤からくる身体の感覚とのコミュニケーションを通して問題を解消していきます。
他にもアドラー心理学やプロセスワークなど様々な分野手法でも、まずは相手や状況を理解することから始めるという点は変わりません。

その後、相手に自分を理解してもらうことになりますが、当然自分の主張を一方的に伝えればよいわけではありません。
伝え方については長くなるので別の機会にしたいと思います。

もし、あなたの周りで対立が存在するなら、それを調和のための重要なプロセスだと認識し、まずは相手の話を聴くことから始めてみましょう。


『7つの習慣』の第5の習慣は7つの習慣・実践会の中では唯一2回に分けて行う習慣になります。
実践会の中で行うワークもロールプレイなどが多く入ってきます。
それだけ、他人の話を聴くことと自分の話を聴いてもらうことは簡単ではありません。

相手の話を深く聴くには、強い安定性が必要になる。自分自身が心を開くことによって、相手から影響を受けるからだ。傷つくこともあるだろう。それでも相手に影響を与えようと思ったら、自分もその人から影響を受けなければならない。それが本当に相手を理解することなのである。

『7つの習慣』

相手の話を本当の意味で聴くためには、自分が傷つく可能性もあります。
だからこそ、『7つの習慣』では「聴く」という行為を5つ目に置き、第1~4の習慣で自分の軸を作り安定性を保つための自立という準備をするのです。

人が2人いれば対立は起こります。
リーダーやマネジメントのポジションにいる方だけでなく、これからそのポジションを目指す方も、ぜひ『7つの習慣』を読んでみてください。
1人で読むのが難しければ、実践会もご利用ください。
心よりあなたの『7つの習慣』の実践をサポートいたします。

– 今週のHiro’s本棚-

読書録の仕方を模索中。
試しに章ごとにシリーズ化してみてはどうか?を試して毎日投稿しています。

– INFORMATION –

NLPトランスフォーマティブ・コーチング

心理学NLPの有名なワークの一つに知覚位置というものがあります。
人間関係の問題などで相手を理解し、自分を理解してもらうために役立つワークですが、NLPコーチングの中で必要に応じてクライアントさんにワークを実施しています。

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