嫌いになるきっかけを乗り越える人間関係づくり

嫌いになるきっかけを乗り越える人間関係づくり

嫌なあの人、可哀想な私

人間関係で課題を抱える人の多くは、相手に原因を求めがちです。
「あの人が変わりさえすれば」と、上司や同僚、家族や友人に原因があると考えます。

以前、娘のことを愛せないという母親に会いました。
「娘のやることなすことすべてがイラッとする、嫌い」と、彼女は言っていました。
家の中で娘を見る度に、イライラが募っているのだろうと感じました。

相手のことを嫌うと、私たちの脳は相手の嫌なところを探して、自分が相手を嫌う証拠集めをし始めます。
そして、証拠にはならない良いところは、無かったことにするか、裏があると思うように仕向けます。
私たちが信じる状況を、私たちの脳は一生懸命に構築しようとしてくれるのです。

彼女の場合も、「娘が嫌い」という想いが、娘さんの振る舞い一つ一つを嫌なものに見せているのでしょう。

もちろん、娘さんに非はなく、彼女が全面的に悪いというわけでもありません。
しかし、生まれた瞬間から娘さんを嫌いだったわけではないでしょうから、そういう関係になったきっかけはあったはずです。
ここで押さえておかなければならないことは、彼女が娘さんの行為に反応しているように、娘さんも彼女の行為に反応しているということです。
現在の関係は、お互いに反応しあった結果なのです。


私たちが他人と接する際、お互いに影響を与え合います。
嫌なあの人も、私たちが嫌いになるきっかけは必ずあったはずです。
出会ってから何かをされたのかもしれませんし、話す前から見た目や振る舞いに嫌悪することもあるでしょう。
いずれにせよ、私たちが相手に対して反応的になることで、相手との関係は崩れていきます。
どのような影響を与え合うのか、私たちは常に選択を迫られているのです。

たとえ、相手から嫌なことをされたとしても、私たちがそれに対して反応的にならなければ、関係が悪化することを防げるかもしれません。
もちろん、これは嫌なことでも我慢しなさいという意味ではありません。
ただし、感情的に反応するのではなく、相手の何が嫌で、それは自分にとって受け入れがたいのかどうかは、しっかりと判断することが大切です。
その上で、この人とは関係を保つ必要はないと判断できれば、相手に反応するのではなく、距離を取る選択をしましょう。

しかし、どうしてもコミュニケーションを取らなければならない関係もあります。
その場合は、自分を偽ってまで仲良しを振る舞う必要はなく、必要最低限の受け答えで済ませましょう。
無視は相手を反応的にしてしまうので、関係を悪化させる要因になりえます。

自分を嫌っている人を積極的に好きになる人はいません。
私たちが誰かを嫌えば、その人から嫌われないまでも関係性は離れていくでしょう。
誰かとの関係性を維持しようと思った場合、少なくとも私たちがその人を嫌っていないことが条件になります。

「嫌いなあの人、可哀想な私」から抜け出すためには、相手の行為に反応的にならず、その人との関係性を私たち自身が取捨選択し、それに応じて対応することが大切です。

以下のPDFで、人間関係において主体的に自分の反応を選ぶためのワークを解説していますので、人間関係にお困りの方は参考にしてみてください。

心の重荷を解放し、自由な人生を手に入れる10のレッスン 心の重荷を解放し、自由な人生を手に入れる10のレッスン

スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』には「愛は動詞である」という一節があります。

愛とは、愛するという行為によって実現される価値である。主体的な人は、気分を価値観に従わせる。愛、その気持は取り戻せるのである。

冒頭の母親は、今でも娘さんにしてもらって嬉しいことを思い出し、その行為に焦点をあててみると言っていました。
娘さんを見る視点が変わることで、きっと以前のように良い関係に戻れるだろうと思います。

「7つの習慣(R)実践会」に参加した方の多くは、仕事や家庭の悩み(特に人間関係に関わる悩み)を実践会期間中に解決されます。
それは相手の行為に反応的になるのではなく、自分に何が出来るのかを考えるようになるためです。
あなたの世界の見方が変われば、仕事も人間関係も、嘘のように変わっていきます。
今何か人生がうまく前に進められていないという方は、ぜひ「7つの習慣(R)実践会」に参加してみてください。

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