スティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』にある第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は、一見すると単なる目標設定の習慣のように見えます。
目標設定の重要性は広く認識されています。
今年1年、今月、今週、そして今日をどう過ごすかは、多くの人が考えることです。
それぞれの期間には「達成したいこと」がリストアップされ、その期間を終えると、成果の有無に一喜一憂する方もいるでしょう。
確かに、日々の目標を仕事やタスクとして捉えると、成果の大きさは重要な指標となります。
しかし、『7つの習慣』の第2の習慣は「何を達成するか」よりも「どのような存在でありたいか」に重点を置いています。
この習慣の冒頭では、自分の葬儀に集まる人々が自分をどのように記憶するかを想像するよう促されています。
あなた自身あるいはあなたの人生をどのように語ってほしいだろうか。彼らの言葉で、あなたがどういう夫、妻、父、母だったと述べてほしいだろうか。彼らにとって、あなたはどのような息子、娘、あるいはいとこだったのか、どのような友人だったのか、どのような同僚だったのか。
『7つの習慣』
このことから、第2の習慣での目標設定は、仕事、生活、タスクを通じて、自分がどのような人物になりたいかという「目的」を明確にすることに他なりません。
残念ながら、15歳から34歳までの若者の主要な死因は未だに自殺1です。
これには健康問題や貧困など、さまざまな原因がありますが、学業や仕事の失敗もその一つです。
例えば、高い偏差値の大学への入学や仕事でのトップ成績を目標にすると、それが達成できなかった場合、人生の終わりを感じてしまう可能性があります。
ここで重要なのは、単に入学や成績を目標とするのではなく、それを通して「どのような人物になりたいか」や「何を成し遂げたいのか」を目的として設定することです。
そうすることで、たとえ元の目標に失敗したとしても、新たな方法でこれらの目的に向かって進むことができます。
結果が出なかったときのショックは大きいですが、人生の目的まで見失うことはありません。
これは、旅行の計画において、目的地へのルートを選ぶことに似ています。
もし計画したルートが通行止めだとしても、別のルートを選んで目的地に向かうことができますよね。
目標設定をする際には、私たちはしばしば「結果」に焦点を合わせがちです。
しかし、目標を達成する過程を通じて、さらに手に入れたいものを考えることが大切です。
そうすることで、失敗に見える結果もフィードバックとして捉え、新たなアプローチを探ることができますので、諦めない限り未達で終わることはありません。
これはまた、その目標達成へのモチベーションを高める役割も果たします。
例えば、会社から与えられた数値目標があれば、「なぜその数字を達成する必要があるのか」、そして「その達成を通して自分はどのように成長したいのか」を考えましょう。
このアプローチは、日常の行動に新たな意味をもたらし、日々の活動をより価値あるものに変えます。
また、上司は部下に単に数字やタスクを割り当てるだけでなく、それを達成した先に待っている未来を伝えるべきです。
それは会社の成長かもしれませんし、顧客の幸せや部下の成長の可能性もあります。
単に「仕事だからやって」という理由ではなく、目標の先にある具体的な未来像を示し、部下の目標に意味を与えましょう。
コーチングでは、まず得たい結果(目標)を確認し、その次にそれによって何が得られるか(目的)を探ります。
場合によっては一つの問いかけで目的が明らかになることもありますが、通常はクライアントとの対話を通じて徐々に明らかになります。
目標設定の過程でしばしば見過ごされがちなこの「目的」の部分は、多くの人が単独で明確にすることが困難です。
コーチを利用するメリットの一つは、まさにここにあります。
共創型コンサルティングでは、企業の目的や目標に沿って、担当者へのコーチングを通じて、彼らの目標設定を具体化するアプローチも取り入れています。
適切な目標設定でお悩みの方は、ぜひ私たちにご相談ください。サポートさせていただきます。
脚注
「コーチングってどんなものか分からない」「コーチと相性が悪かったらどうしよう」などのコーチングに対する不安を事前に解消できます。
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ただ読むだけでなく、日常生活で使える実践的なワークは、5分から10分のスキマ時間に取り組めるものばかり。
日常のストレスから解放され、仕事やプライベートで目標に向かって前進することができるでしょう。