「できないこと」がチームを強くする|弱みを活かすマネジメントのすすめ

「できないこと」がチームを強くする|弱みを活かすマネジメントのすすめ

楽天で学んだ会社を急成長させるPDCA-S

おはようございます。Life Quest Allianceの福永です。

先日、起業家の才能と富への道筋を診断するウェルスダイナミクスの企業版、タレントダイナミクスの法人研修を実施しました。
社員の才能と、仕事へのマインドと視座を測る、採用や社員育成に活用できる研修です。

皆さんは「才能」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
歌の才能、スポーツの才能、計算の才能、話し方の才能
おそらく多くの方は「強み」としての才能を連想するはずです。
そして、それらの才能は「すごいね」「うらやましい」と周囲から称賛されるもの。
まさに憧れの対象として捉えられることが多いのではないでしょうか。

「強み」を活かすことはとても大切です。
自分にとって楽にできることに注力することは、すぐに簡単に成果を創り出すことができるからです。
しかし、チームで何かを成し遂げる際、この「強み」が足かせになる場合もあるのです。

「できないこと」がチームを強くする|弱みを活かすマネジメントのすすめ

ビジネスの現場でも、「自分の才能を活かして貢献することが大切だ」と言われる機会は少なくありません。
確かにその通りで、自分の強みを発揮し、成果を上げ、チームに貢献することは価値のあることです。

しかし、ここで一つ疑問が湧きます。
果たして、才能ある人材ばかりが集まったチームは最強なのでしょうか?

野球の世界で「4番バッターだけでは勝てない」と言われるように、優秀な人が集まったチームが必ずしも高い成果を上げるとは限りません。
実際、華々しい経歴を持つメンバーばかりで立ち上げたスタートアップが、早期に分裂してしまう事例は少なくありません。
創業メンバーの才能がぶつかり合い、方向性を見失ってしまうのです。

その根本的な原因は、「才能=強み」という一面的な理解にあります。
そこで、タレントダイナミクスでは才能のもう一つの側面に注目します。
それは「弱み」です。

これまでの日本の教育では「弱み」は克服するものでした。
あなたも「弱点を克服しろ」と若い時に一度くらい言われたことがあるのではないでしょうか。
しかし、実際のチームづくりにおいて大切なのは、強みだけではなく「弱み」との向き合い方なのです。

例えるなら、パズルのピース。
すべてが「凸」だけでできていたら、ピース同士は噛み合いません。
パズルが絵として完成するのは、「凸」と「凹」があるからです。
つまり、自分の弱みが誰かの強みで補われるからこそ、チームとしての一体感が生まれるのです。

この考え方を少し掘り下げてみましょう。

自分の強みだけを使って成果を出す場合、それは自分ひとり分のパフォーマンスでしかありません。
しかし、自分の弱みをオープンにし、その弱みを補える強みを持つチームメンバーに任せるとどうなるでしょうか?

  • 弱みを補えるメンバーに活躍の場が生まれる
  • 同じ強みを持つ人材が複数いれば、さらに多くの機会がチーム内に広がる
  • 結果として、自分ひとりでは到底出せないようなパフォーマンスが、チーム全体から生まれる

これはチームマネジメントにおいて極めて重要な視点です。
「リーダーとして成果を出さねば」と気負っていた管理職が、自分の弱みをさらけ出し、メンバーに頼るようになったことで、かえってチームの士気が上がったという話はよくあります。
自分の「できないこと」を認めることは、時にチームメイトへの信頼の証にもなります。

実際、私が楽天にいた頃に一緒に働いていたリーダーたちは、事務処理がまったく得意ではない上司のもとで、常にバタバタしながら業務を支えていました。
私も含め彼らはやがて全員が部長職にまで昇進しました。
上司の弱みを補う中で、自然とマネジメント力や問題解決力が磨かれたのだと思います。

「周囲に合わせろ」「欠点を直せ」と、凹凸をなくす育成方針の中で、私たちの多くは丸くならざるを得ませんでした。
しかし、すべてのピースを平らにしてしまえば、かえって組み合わらず、少しの衝撃で崩れてしまいます。

その人にしかない凹があるからこそ、誰かの凸が活かされます。
そしてそれは逆もまた然りで、自分の「強み」が他の誰かの「弱み」を支えることになる。
そうした相互補完の関係性が、全体が噛み合った強いチームを育てます。

自分の才能を「強み」だけでなく「弱み」も含めて捉え直してみると、チームづくりの視点が大きく変わります。
自分の弱みを隠すのではなく、あえて明かし、そこに適した人に託す。
この文化が根付けば、メンバー同士が信頼し合い、互いの才能を引き出し合う「自律型組織」が実現できるでしょう。

成果を出すチームは、決して才能がある人ばかりで構成されているわけではありません。
むしろ、「自分の弱みを活かしてもらい、相手の弱みを支える」という関係性が、抜群のパフォーマンスを生み出します。

あなたの「弱み」は何でしょうか?
そしてそれは、誰にとって活躍の場になりますか?

社員の強みと弱みを無料で簡単に診断することができます。
診断してみたい方はこちらから試してみてください。

それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。


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