組織は「関係」でできている｜成果が出るチームの関係性マネジメント

おはようございます。Life Quest Allianceの福永です。

暑さ増々な昨今ですが、皆さんも熱中症にはお気をつけください。
実は熱中症にも後遺症があるそうで、初期治療を怠ると体温調節機能が長く働かなくなることがあるといいます。
「なんとなく調子が悪いな」と感じたら、我慢せず病院にかかることが大切です。

そして、これは実は私たちの組織にも同じことが言えるのではないでしょうか。

組織は「関係」でできている｜成果が出るチームの関係性マネジメント

「最近、組織の雰囲気がどこかぎこちない」「成果が出ていないのに、原因がはっきりしない」。
経営者や管理職として、そんなモヤモヤを感じたことはないでしょうか。

このような、なんとなくの不調は組織の中に現れるサインでもあります。
そしてその正体を突き止めようと、優れたコンサルタントを呼んで診断してもらう。
施策を入れ替え、評価制度を見直す。
これはちょうど、風邪をひいたときに薬を飲んだり、病院にかかったりする行為に似ています。

しかし、これらはあくまで「対症療法」に過ぎません。
根本から組織の健康を保つためには、もっと別のアプローチが必要です。
それは、病気にならない身体をつくる「予防医学」と同じように、組織にも日々のメンテナンスが求められるということです。

組織にとっての予防とは何か？
その鍵となるのが、「人」と「信頼関係」です。

カルロ・ロヴェッリ氏の著書『世界は「関係」でできている』には、次のような一文があります。

あらゆる存在の性質、すなわち属性が、じつはその存在の別の何かへの影響の及ぼし方にほかならない、ということを発見した。事物の属性は、相互作用を通してのみ存在する。
（中略）
相互作用なくして、属性なし。

これを人間関係に置き換えると、「相手がどんな人物かは、自分との関係性によって決まる」ということです。
例えば、AさんはBさんにとっては仕事がしづらい同僚かもしれません。
しかし、Cさんにとっては頼れる上司であり、Aさんの子どもにとっては優しいお父さんであることもあります。
このように、私たちの印象や役割は、周囲との関係性によって変わります。
この観点から考えると、組織の不調は個人に原因があるのではなく、関係性の歪みから始まっていると捉えることができます。

周囲との関係性が壊れると、個人の能力は発揮しづらくなります。
上司の顔色を伺う部下、指示待ちのチーム、忖度と責任回避の会議。
それらが積み重なり、やがて大きな成果の足かせとなっていきます。

では、どうすればよいのでしょうか。

答えは「信頼関係の土壌を耕すこと」にあります。
これが、組織にとっての東洋医学です。
信頼とは短期間で構築できるものではなく、日々の小さな積み重ねで築かれていくもの。
漢方のように即効性はなくても、長期にわたる強い組織づくりに確実に効いてくるものです。

あなたのチームでは、次のような行動がどれくらい実践されているでしょうか？

挨拶をし合う
感謝し合う
成果を讃え合う

どれも一見、当たり前で簡単なことに思えます。
しかし、こうした基本的な行動こそが、信頼関係の土壌を耕す大切な要素です。
簡単すぎるがゆえについ軽視されがちですが、これらが欠けた状態では、どれだけ優れた知識やスキルを導入しても、組織の根は育ちません。
信頼関係の基盤が揺らいでいるところにいくら種をまいても、成果はやがて枯れてしまうのです。

重要なのは、問題が起きた後ではなく、問題が起きる前に取り組むこと。
信頼関係の構築に早すぎるということはありません。
むしろ「問題が起きてからでは遅い」と言っても過言ではないのです。

組織の不調を放置すれば、それはやがて致命的な病気に発展します。
一方で、日々の信頼という「体質改善」を進めていけば、ちょっとした風邪も自然と治る、しなやかな組織になります。

経営者も、管理職も、チームの一員として信頼を育むリーダーシップを意識することで、組織の健やかさは確実に変わっていきます。
もし、職場で誰も挨拶をしない、感謝を伝えない、成果を讃え合わないという状況があるとしたら、まずはあなた自身がその第一歩を踏み出してみてください。
あなたの行動が、周囲に少しずつ良い影響を与え、組織の関係性を健全なものへと導いていくはずです。

あなたは今日、どんな関係性を周囲と築いていきますか？

それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。

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