「やったことがないから、何をすればいいのかわからない。」
多くのビジネスパーソンが、新しい仕事やプロジェクトを任されたときに直面する悩みです。
私も先日、改めてこの課題の解決に至る過程に触れる機会がありました。
週末、知人が選挙に初出馬するというので、応援に行った時のことです。
何をしたらいいかわからない時こそ、まず動け!
選挙活動というのは、一見すると政党やスタッフがすべてを段取りしてくれるのかと思いきや、実際にはそうでもありません。
もちろん基本的なノウハウや方針は教えてもらえますが、細かな準備や現場対応は候補者や応援する側が自ら動いていかなければならないのです。
試行錯誤しながら、文字通り手探りで進める毎日なのだそうです。
未知のことを始めるとき、人は「何をすればいいのか分からない」という壁にぶつかります。
ここで思考停止してしまう人も少なくありません。
しかし、楽天時代に学んだ経験から言えるのは、まず「動くこと」が大切だということです。
たとえ正解がわからなくても、今自分ができることから始めてみる。
そうすれば道は少しずつ開けていきます。
楽天ではよく「難しいことは因数分解して考えろ」と教えられてきました。
やるべきことが曖昧に見えるのは、問題が漠然と大きすぎるからです。
だからこそ、目標までの道筋をいくつかの小さなパーツに分けて考えるのです。
このとき役立つのが「How(どうすれば?)」という問いを繰り返すことです。
例えば「ニューヨークに行きたい」とします。
これだけでは漠然としすぎています。
では「どうすればニューヨークに行けるか?」と考えると、「日程を決める」「航空券を予約する」「パスポートを準備する」などが思い浮かびます。
さらに「どうすれば日程を決められる?」と問いを深掘りすれば、「予定表を確認して日程を押さえる」といった具体的なアクションが見えてきます。
因数分解を繰り返すことで、曖昧だった行動が、ひとつひとつクリアになっていくのです。
選挙当日もまさにそんな場面がありました。
駅前で街頭演説をするために選挙カーを止める場所を探していたのですが、最初に指定された場所には駐停車禁止の標識がありました。
スタッフが警察に確認すると、選挙でも駐車はNGとのこと。
しかし、警察官は「バスの待機スペースなどは警察としては問題ない」と教えてくれました。
そこでバス会社に確認を取り、15分程度ならと使用許可が得られ、無事に演説ができたのです。
もし「ここは駐禁だけど、どうしようか…」と悩むだけで止まっていたら、演説はできなかったでしょう。
知っていそうな人に聞く、情報を集める、確認してみる。
今できるアクションを積み重ねることで、状況は動いていくのです。
さらに、思考を柔軟にするために「as if フレーム」を使うのも有効です。
たとえば「もし時間が無限にあったら?」「もし予算が無制限だったら?」「もしあの成功している○○さんだったら?」と仮定して考えてみるのです。
こうして出てきたアイデアをもとに、さらに「どうすれば?」を繰り返していけば、現実的な行動案が見えてきます。
そして、因数分解で出した全てが正確でなくても構いません。
直近1ヶ月でも、1週間でも、あるいは「今日やること」だけでも解像度が上がれば十分なのです。
予定は未定であって、決定ではありません。
目標に向かう方向さえ合っていれば、歩きながら道を選んでいけばいいのです。
「何をしたら良いかわからない」
そんな時はただ漠然と考え続けるのではなく、まず今すぐにできる小さな一歩を踏み出してみましょう。
その一歩が、やがて大きな前進に繋がるはずです。
あなたが今直面している「何をすればいいかわからない課題」は何ですか?
それを因数分解することから始めてみませんか?
それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。
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