企業文化の崩壊を防ぎ、進化を促す「型」

企業文化の崩壊を防ぎ、進化を促す「型」

おはようございます。Life Quest Allianceの福永です。

あなたの会社にはどんな企業文化があるでしょうか?

会社の規模に関係なく、すべての企業には文化が存在します。
社員がひとりしかいない会社でも、その人の価値観や信念、働き方が企業文化の基盤と言えるでしょう。
しかし、人が増え、組織が複雑化していくと、その文化は必ず変化します。
進化とも言えるポジティブな変化もあれば、時には組織の一体感を損なうような文化の崩壊と感じられる事態も起こりえます。
できれば進化と呼べる変化を遂げたいですよね。

企業文化の崩壊を防ぎ、進化を促す「型」

私が19年間勤めていた楽天でも、まさにそのような変化がありました。
特に印象深いのは、社内公用語を英語に切り替えたタイミングです。
多国籍の人材が集まり、多様性が一気に増したことで、それまで大切にしてきた「楽天主義」や日本的な価値観が一部の社員に否定される場面も見受けられました。
彼らは「グローバル企業ではこんなことはしない」と言い、従来のやり方を変えようとしました。

しかし、楽天は日本で生まれ、日本的な文化を背景に成長してきた企業です。
単なるグローバルスタンダードに迎合するだけでは、企業の本質を見失ってしまいます。
そのような危機感の中で、三木谷社長は毎週の朝会で「我々は何者か」「何を大切にするのか」を語り続けました。
そのメッセージは、やがて新しい社員にも伝わり、文化の芯を保ちながらも、多様性を取り入れるという進化へとつながっていきました。

この経験から学んだのは、企業文化を守りながら進化させるためには、以下の3つの原則が必要だということです。

  1. 大切にしたいことを「型」として落とし込む
  2. 社長がその型を守るためにメッセージを伝え続ける
  3. そのうえで大胆に変える

1. 大切にしたいことを「型」として落とし込む
企業文化とは目に見えにくいものですが、それを「型」として明文化・体系化することで、誰もが共通の理解を持てるようになります。
楽天でいえば、「楽天主義」というブランドコンセプトと成功のコンセプトがそれにあたります。
何を守りたいのか、何を変えてもよいのか。
この線引きを曖昧にしないことが文化の土台になります。

2. 社長がその型を守るためにメッセージを伝え続ける
文化は言語化しないと伝わりません。
そして、文化の担い手となるのは、最終的には経営トップです。
社長が自らの言葉で何度も繰り返し伝えること。
それによって、社員は「これは本当に大切なことなんだ」と認識するようになります。
もちろん、社長が直接すべてを伝えなくても、信頼できるリーダーを任命して指導してもらってもよいでしょう。
ただし、その役割に対しては、しっかりと支援し、重要性を組織全体に示すことが必要です。

3. そのうえで大胆に変える
日本人は伝統を守る力が強い反面、変化に慎重すぎる傾向もあります。
そのため、文化を守ることに意識を向けすぎると、必要な変革が進まなくなるリスクもあります。
まずは大胆な変革の案を考え、それが文化の「型」に反しないかをあとから確認するぐらいで丁度よい。
そして、もしその「型」自体が時代遅れになっていれば、社員と共にアップデートしていく。
それも企業文化の進化の一部と考えるべきでしょう。

人が増え、組織が複雑化すれば、文化の変化は避けられません。
それを恐れるのではなく、「何を守りたいか」を明確にし、「どう進化するか」を戦略的に考える。
それが、文化を強みに変える経営の知恵だと思います。

あなたの会社にとって、守り続けたい文化とは何ですか?
それを社員にとっても共感できる「型」として、言語化してみてはいかがでしょうか。

それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。


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