「同じチームだったはずなのに、チームを分けた瞬間から協力関係が薄れた」
あなたの職場でも、そんな経験はありませんか?
組織を拡大していく中で、必ずといってよいほど直面するのが組織の分断の問題です。
「社会的アイデンティティ理論」では、人はグループ分けされると無意識に、所属する集団に対しては好意的になり、それ以外には排他的になる傾向があると言われます。
つまり、線を引くだけで組織には壁が生まれてしまうのです。
分断を生まない組織作り:組織の壁を作らない3つのポイント
現在、私はある大手企業の組織開発プロジェクトに携わっています。
今は対象の組織が小規模で、スタッフは課題を感じてはいるものの表面的には問題は出ていません。
しかし、これからの成長過程で組織の壁は必ず顕在化していきます。
そして、組織規模の拡大が速ければ速いほど、そこで働く社員の成長や人間関係の構築が追いつかず、組織の壁は高く壊しにくくなります。
ではどうすれば、その見えない分断を未然に防ぎ、健全な連携を保つことができるのでしょうか?
私も楽天で10名から200名弱の組織をマネジメントする中で、多くのチームを作ったり、一つにまとめたりしてきました。
その経験から、組織の壁を作りづらくする鍵となるのは以下の3点だと考えています。
- チームミッションの明確化
- トップの意思決定と優先順位の明確化
- チームリーダー同士のコミュニケーション量の増加
1. チームごとのミッションの明確化
チームごとに役割と責任をはっきりさせることは、分業の基本です。
ですが、ここで重要なのは「明確に分けること」ではなく、「グレーゾーンを意識的にマネジメントすること」です。
たとえ役割が重複していたり、抜け漏れがあったりしても、「どちらがやるべきか」を率直に議論できる関係性をつくることが重要です。
それがなければ、重複した作業を競い合ったり、不明確な役割を押し付け合ったりしてしまいます。
2. トップの意思決定と優先順位の明確化
チームが迷走する要因の一つに、経営陣からの方針のあいまいさがあることが少なくありません。
全社として何を重視し、どの施策を優先するのか。それをトップが明確に発信することで、チームは安心して共通のゴールに向かえます。
逆にこれが曖昧だと、各チームは自分たちのミッションを優先せざるえを得ず、協力して一つの目標には向かいづらくなります。
3. チームリーダー同士のコミュニケーション量の増加
リーダー間の信頼関係は、現場の空気に直結します。
私が見てきた中でも、課長同士の仲が悪い部署は、スタッフ間にも不協和音が伝播していきます。
もしくは、スタッフ同士は協力したくても、リーダーがそれを阻害してしまうことも。
リーダー同士が定期的に対話し、お互いの立場や考えを理解する機会を持つだけで、現場の協力体制は驚くほどスムーズになります。
これら3つの対策を講じることで、組織の壁は築かれにくくなります。
仮に壁ができてしまっても、それは低く、壊しやすいものになります。
組織の壁は、放っておくと確実に成長の足を引っ張ります。
今あなたが所属する組織に、どこか壁の存在を感じているとしたら、上記の3点のうち、どこが欠けているのかを見直してみてください。
補うべきポイントが見えてくるはずです。
あなたの組織の中に壁があるとしたら、その壁を崩すために何から始めますか?
それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。
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