おはようございます。Life Quest Allianceの福永です。
企業の成長や競争力の強化には、仕組み化が欠かせません。
しかし、改革を推進するには経営者の強い覚悟も求められます。
先日、私の元上司だった楽天の専務とランチをしながら仕組み化について話をした際にも、その重要性が話題にあがりました。
経営者の覚悟さえあれば、仕組み化はできる
変革にはトップダウンの強力なリーダーシップが不可欠です。
ボトムアップの意見も大切ですが、これまでの慣習を大きく変えようとする場合、全員の合意を待っていては一向に進みません。
経営者が確固たるビジョンを持ち、実行に移すことが成功の鍵となります。
楽天の「English-nization(英語公用語化)」は、その好例です。
導入当初は社内外から批判が相次ぎました。
「なぜ日本企業で英語を使う必要があるのか?」という疑問や反発も多くありました。
しかし、三木谷浩史氏は方針を変えず、英語を社内の標準言語とする決断を貫きました。
楽天のこの取り組みは単なる号令ではなく、実行可能な環境の提供が重要であることを示しています。
単に「TOEIC800点をクリアしろ」と命じるだけではなく、社員の英語学習のために莫大な予算を投じ、研修やサポートを徹底しました。
また、会議の場では、社員が英語で発言できるまで辛抱強く待つ姿勢を示し、学習を促しました。
このように、単なる命令ではなく、必要な環境と支援を提供することが、変革を成功させるポイントです。
この楽天の取り組みは、ハーバード大学でも研究対象となっており、三木谷氏の覚悟とリーダーシップがいかに重要であったかが強調されています。
この研究をしたハーバード大のセダール・ニーリー教授も三木谷氏のことを「覚悟を持った経営者」だと評価しています。
ハーバード大学の事例研究では、企業の大規模な改革を成功させるためには、以下の三つの要素が不可欠であると示されています。
明確なビジョンと経営者の覚悟
変革を進める上で、経営者自身が強い意志を持ち、ビジョンを明確に示すことが重要です。
楽天の事例では、三木谷氏が英語公用語化の必要性を社内外に発信し続けたことで、徐々に社員の理解が深まりました。
環境とリソースの提供
変革を成功させるには、社員が適応できる環境を整えることが不可欠です。
また、変革を推進する社員を評価する制度を導入することも重要です。
従業員が成長できる環境を作ることが、変革を持続可能にする要素となります。
実行の継続と忍耐強いサポート
改革は一朝一夕には達成できません。
英語学習のための様々な研修プログラムを提供し、英語でのコミュニケーションを継続し続けたことで、徐々に英語での業務遂行が当たり前になりました。
経営者やリーダーが忍耐強く取り組み、サポートし続けることが成功の鍵となります。
English-nizationの結果、現在の楽天は、世界中から優秀な人材を採用できる企業となりました。
日本の多くの企業が人材不足に直面する中で、楽天はこの課題とは無縁の状況にいます。
将来を見越した上での強いリーダーシップと適切な仕組み化が、企業の成長を大きく左右する良い事例と言えるでしょう。
貴社では、どのような変革を推進しようとしていますか?
トップダウンで進めるべき重要な改革があるなら、まずはあなた自身が覚悟を持つことが成功への第一歩になります。
それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。
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