おはようございます。Life Quest Allianceの福永です。
昨年、マンションの火災報知器がしょっちゅう誤作動していました。
最初は「火事か!」と住民がそれぞれ外に出て状況の確認をしていましたが、何度も誤報が続くと次第に確認に出てくる人数も減っていきました。
本当に火事が起きたときに迅速な避難ができず、大きな被害につながる危険性を感じており、早く対策をしてもらいたいと思っています。
良い誤報と悪い誤報 – 悪い誤報を駆逐せよ
楽天時代、誤報には良い誤報と悪い誤報がありました。
良い誤報とは「何か問題が起こっているかも知れない」と感じ、周囲にアラートを挙げることです。
楽天市場のシステム、特に商品ページやお買い物カゴなどユーザのお買い物に直結する機能は1分停止しただけでも数百万円の損失が出ます。
店舗の売上も止まってしまうため、何か問題が起こった際には1秒でも早い復旧が必要となります。
これは問題かな?大丈夫なのかな?と迷っている間に大事故にならないように、まずはアラートを挙げて関係各所で臨戦態勢を整えることが、流通を守るうえでとても大切なことでした。
結果として何でもなければ「良かったね」で済むので、まずは周知を第一にしていました。
一方、悪い誤報とは緊急で対応する必要のないシステムアラートです。
正確に言えば誤報ではないのですが、頻発するアラートは運用者に「またか」と感じさせ、対応が後回しになったり、最悪の場合、誰も気にしなくなったりします。
楽天市場のシステム運用でも、細かいものを含めるとかなりの数のアラートが一日の中であがります。エラーログを確認しようとしても、あまりの多さに本当に対応が必要な問題が埋もれてしまい、発見が遅れて大きなトラブルにつながったこともありました。
「アラート疲れ」という言葉があります。
これは過剰な通知により人々が感覚を麻痺させ、対応を怠る状態を指します。
これにより、対応の漏れや効率の低下、対応に対するモチベーションの低下など、多くの問題が引き起こされます。
過剰なアラートは、単なるシステムの問題ではなく、組織全体の生産性や安全性に関わる重大なリスクになるのです。
アラートは「挙げればよい」というものではありません。本当に対応が必要なものを精査し、絞り込む仕組みが必要です。
本当に対応しなければいけないものだけアラートとして挙がるようにし、それ以外は日次や週次で数値の変化を見たり、そもそも発生しないように対策を施しましょう。
これにより、運用チームの負担を軽減し、本来注力すべき仕事に集中できる環境を整えることができ、さらに本当に動くべき時に動けるようにもなります。
ただ、何が本当に必要なアラートかを見極めるには経験が必要なので、現場に精査しろというのではなく一緒に吟味することも大切ですよ。
あなたは今、気になっているアラートはありますか?
それが本当に必要かどうか、今一度精査してみると良いかも知れませんね。
それでは皆さん、今週もよい一週間をお過ごしください。
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