複雑化した社会に求められる新たなコンサルティングの視点。一般的にコンサルタントに求められる専門知識と経験・課題解決力だけでは対処しきれない問題が現代社会には数多く存在します。あるクライアントとの失敗談から得た気づきを基に、何がこれからのコンサルタントに必要なのかを考えました。
皆さん、こんにちは。
Life Quest Allianceの福永です。
7月より、あるクライアントの業務改善の一環としてプロジェクトマネジメントを担当しています。
定例会議に参加し、議論に基づいてタスクを明確にし、担当者と期限の整理を通じて、プロジェクトを推進するための整理をしています。
プロジェクト管理ツールを導入し、タスクと進捗を見える化することで、クライアントのスタッフから感謝の言葉をいただいくこともできました。
この一ヶ月間で、楽天時代に培った知識と経験をフルに活用して、細部までプロジェクトを見てきました。
しかし、私が当初予想していたような結果が得られていない、つまりプロジェクトマネジメントが成功しているとは言えない状況に直面してしまいました。
「コンサルタント」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
- 豊富な専門知識と経験を持つ人
- 高度な問題解決能力を持つ人
- 優れたコミュニケーションスキルを有する人
- 常に多忙な人
人それぞれ様々な印象を持つでしょうが、一般的に「高い専門知識と経験を活かしてクライアントの課題を解決する」というイメージは多くの人が共有しているのではないでしょうか。
私は楽天時代に多くの卓越したコンサルタントと働く機会がありました。
業務を請け負うコンサルタントは高いパフォーマンスを発揮してくれていたと感じています。
その一方で、管理部門が雇用した業務改善を主とするコンサルタントに対しては、少し異なる印象を持ちました。
彼らが提案した改善策を実現するためには、ツールの移行や現状分析といった予定外の工数が現場に強いられることがしばしばあり、「余計な仕事を増やされた」感が否めなかったからです。
新しいツールに移行した後も、どの部分が効率化されたのかが分かりづらいことが多く、結果として現場からは目に見える効果を実感することがほとんどありませんでした。
「本当に必要なのはこれじゃない」と、現場は移行時の余計な工数に不満を抱いていました。
先ほど述べたプロジェクトマネジメントの失敗は、実は楽天時代に私が経験した業務改善コンサルタントの苦境そのものでした。
タスクのステータスが更新されず、期限のリマインドに反応がなく、「そう言えばそうでした」と会議で言われてしまう。
一ヶ月が過ぎる頃には、既にプロジェクト管理ツールからは何のリスクも判断できない状態に陥っていました。
しかし、各タスクは担当者がちゃんと実施しており、会議では引き続き「助かっている」「ありがたい」というお声をもらいます。
私は現場で何が起こっているのかを確認するために、クライアントに率直に聞いてみました。
そして明らかになったことは、クライアントが求めていたことは、プロジェクトを管理してほしかったのではなく、タスクを整理してほしかっただけなのだと。
彼らにとって、タスクを整理し期限を設定することは助けになったのですが、リマインドや管理まで求めていなかった。
実際、日々リマインドされることは単に煩わしいだけで、それが結果としてタスクのステータスが更新されない状況を引き起こしていたのです。
コンサルタントや支援者の「問いかけ」や「聴く姿勢」によって、クライアントは自分自身にとって本当に気がかりなことや、これまで目を背けていた大切なことに気づくーーーこの一点に集中することが、「本当の支援」だ
『謙虚なコンサルティング』
これは、エドガー・H・シャイン著の『謙虚なコンサルティング』(2017, 英治出版)からの一節です。
これまでコンサルタントとは、「高い専門知識と経験を活かしてクライアントの課題を解決する」人だと考えてきました。
しかし、変化が激しく、不確実性が高まり、複雑化した現代社会では、もはや一人の知識と経験だけで課題を解決できる時代は終わりました。
「クライアントのことはクライアントが一番良く知っている」とは、コーチングの基本的な観点です。
今、このコーチングの視点こそが、課題解決を実行するコンサルティングに必要なものと言えるでしょう。
(ただし、特定の業務を受け持つコンサルは例外かもしれません)
私はもともとコーチングで会社の枠にとらわれずにもっと多くの人の役に立ちたくて独立をしました。
しかし、自分の既存の知識と経験を活かせるのはコンサルティングだと感じ、どちらを追求すべきか葛藤しました。
一時期、コーチングに専念するためにコンサルティングを止めてみたものの、営業や集客の経験もなく、またコーチとしては無名な状況では、自然と人が集まることもありません。
さて、どうしようかと思っていたところにこの本を読み、コーチングとコンサルティングを組み合わせれば良いのだと気づきました。
どちらの良さも取り入れれば良いのだと。
NLPプロフェッショナル・コーチングで学んだプロセスや手法、またフューチャーマッピングを使ってクライアントの真の課題を掘り起こすことで、クライアントが本当に解決したい課題を特定し、それに対して私が19年間楽天で培った経験からのアドバイスを行なうコンサルティングを、今後は提供していきます。
その手始めとして、企業向けのサービスを開始しました。
こちらもコンサルティングとコーチングの組み合わせで、企業の課題解決を行なうプログラムです。
まずコンサルティングで課題解決の道筋を作り、コーチングでその進捗を促します。
新たな課題がコーチングで明らかになった場合には、コンサルティングでその解決策を考えるという循環の仕組みを取り入れています。
この新たな企業向けのサービスを開始するにあたって、組織活性化のためにすぐ使える3つの鍵を提供する無料動画セミナーを用意していますので、まずはそちらを御覧ください。
冒頭のプロジェクトマネジメントについては、クライアントのニーズが明確になったため、タスクの可視化と整理に注力し、定例会議では週次のタスクリストを全員で確認するという形に落ち着きました。
詳細な管理をする準備は整っているため、クライアントの要望に応じてステップアップしていければ良いかなと思っています。
こちらのクライアントの作業が簡易化されたので時間ができました。
もし御社に解決したい課題や達成したい目標がありましたら、お声がけください。
まずは御社の課題を徹底して「聴く」ことから、ご相談に乗ります。
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