あなたは本当に大切なことを、大切にできていますか?
生きていく上で選択肢は無数にありますが、その中で何を最優先にするかは一人ひとり異なります。
あなたがその選択肢を選ぶ理由は何でしょうか?
願望?義務感?それとも単なる習慣?
もし、あなたが人生で何が最も価値があるのか、何を最優先にしたいのかを明確にする方法を探しているなら、こちらのエクササイズを試してみてください。
価値観の優先順位を整理することで、日々の選択が矛盾しなくなるだけでなく、目標達成にも繋がります。
迷いが生じる時、その背後にはしばしば「優先順位の不明確さ」が潜んでいます。
「人生で最も重視する5つの価値観は何ですか?」と問われたら、多くの人が答えられるでしょう。
しかし、それを優先順に並べて答えるよう求められた場合、多くの人は瞬時には答えられないか、場合によっては本来とは異なる順番で答えを出してしまうこともあります。
それぞれの状況において大切にしていることの優先順位が明確でないと、私たちは判断に迷ってしまうことがあります。
「価値観」という言葉に耳にしたことがあると思います。
心理学のNLP(神経言語プログラミング)では、価値観に加えて「価値基準」という概念も取り入れています。
これは、特定の状況で適用される「状況依存の価値観」です。
例えば、仕事において重視する価値観と、プライベートで大切にする価値観は異なる場合が多いですよね。
このような状況ごとの「価値基準」を明確にしておくことで、迷いを減らし、真に自分が望むものが何かを意識しながら生活することが可能になります。
以前、NLPの上級トレーニングを受けた際に、コーチングにおける「価値基準」を明らかにしました。
その際に出てきた価値基準は次のようなものでした。
- クライアントの幸せ
- 貢献
- 信じる
- ポテンシャルを引き出す
- 道を照らす
一緒にワークをした人たちから「素晴らしいコーチだね」と賞賛を受ける一方で、担当トレーナーはこう指摘しました。
「確かに良いコーチだ。ただし、稼げないコーチだね。」
私の価値基準で「お金」は8番目に位置していたのです。
実際、お金に対する優先度が低い人は意外と多くいます。
特に「他人に貢献したい」という強い願望があると、この点が見過ごされがちです。
しかし、ビジネスとして行うのであれば、収益を確保できなければ貢献し続けることもできません。
この経験は独立する前のものでしたが、欠けていた価値観に気づく良い機会となりました。
このように、価値基準を優先順に整理することで、自分が何を大切にすべきか、どの価値観が足りていないのかを明らかにすることができます。
何かに悩んでいる、または人生で何かがうまくいっていないと感じている方は、一度このアプローチを試してみてください。
価値基準のエクササイズ
今、あなたにとって何が大切なのか、それを明確にするための簡単なエクササイズをこちらで紹介します。
このブログ上では簡易的な内容に限られますが、目の前の状況で何を大切にしたいのかを明確にする手助けとなります。
- 状況を明確にする
- その状況で大切と思うことを15個リストアップする
- リストを優先順に並べ替える
- 上から順に比較する
- 欠けている価値観が無いか確認する
- 最終的な確認を行う
1. 状況を明確にする
初めに、どのような状況での価値基準を考えるのかを明確にしましょう。
それは「仕事」や「プライベート」など一般的なカテゴリーでも構いません。
また、「会議の進行役として」や「子供とのコミュニケーション」のように、具体的な状況を指定することもできます。
2. その状況で大切と思うことを15個リストアップする
次に、「(指定した状況)で何が大切ですか?」と自分自身に問いかけます。
(例:「仕事で何が大切ですか?」)
この質問に対する答えを15個リストアップします。
付箋やメモアプリに記録しておくと、後の優先順位付けが容易になります。
最初は答えがすぐに出てくるでしょう。
しかし、回答が次第に難しくなると思いますが、この段階が重要です。
最初に思いつく答えは、普段から意識している要素が多いでしょう。
それらの答えが尽きた後に出てくるのが、あなたが内心で本当に大切にしたいと思っている要素です。
このプロセスを軽視せず、是非とも15個の要素をリストアップしてください。
ちなみに、先に触れたトレーニングでは、20個以上の要素を出すことが求められました。
3. リストを優先順に並べ替える
15個の価値観がリストアップできたら、それらを直感に基づいて優先順位に並べ替えます。
並べ替えが完了したら、一度全体を見渡し、何か違和感がないかを確認します。
4. 上から順に比較する
一度優先順位をつけた価値観を、上位から順に検証していきます。
1番と2番、2番と3番といったように、隣り合った順位の価値観を比較するための次の問いを自分に投げかけます。
「1番目の価値観が満たされた場合、2番目は無くてもよいか?」
違和感があれば、問いを反転してみましょう。
「2番目の価値観が満たされた場合、1番目は無くてもよいか?」
注意点として、ここでは必ずどちらかを選んでください。
もちろん、どの価値観もあなたにとって重要であるため、一つを「不要」とするわけではありません。
この問いは、強制的に選択を促すためのフレームワークです。
もし2番目がより優先されると感じたら、その二つの順位を交換します。
直感に基づいて並べた優先順位で最も順位が入れ替わるものが「健康」です。
健康がなければ他のどんな価値も実現できないと、多くの人がこの段階で気づくからです。
順位が確定したら、次のペア(2番目と3番目、3番目と4番目など)で同様の比較を続けます。
最終的に全体を俯瞰して確認しますので、途中で順位を入れ替えたとしても、上の価値観に戻って再確認する必要はありません。
5. 欠けている価値観が無いか確認する
一通りの優先順位付けが終わったら、リストに欠けている価値観がないか確認します。
「お金」、「健康」、「時間」、「家族」など、通常重視される価値観が漏れていないか再度検討してみましょう。
人生で何かが順調でない時、その背後には重要な価値観が欠けている可能性があります。
このタイミングでしっかりと確認しておきましょう。
6. 最終的な確認を行う
欠けている価値観がないか確認ができたら、最後に一度、高い優先順位から低い優先順位まで声に出して読み上げてみてください。
何も違和感が感じられなければ、この価値基準ワークは完了です。
しかし、何か違和感や修正したい点があれば、その部分を調整し、再度確認してみましょう。
お疲れ様でした。
このワークを通して、今あなたが真に大切にしたい価値観が明確にランク付けされたはずです。
特に上位3つの価値観は、毎日の行動や選択に大きな影響を与えます。
これらの価値観に沿った習慣やルーチンを設定することで、より満足度の高い生活が手に入ります。
価値観は静的なものではありません。
年齢や生活の変化によって、年々変化します。
なので、年に一度はこの価値基準ワークを再実施することをお勧めします。
その時々で大切にしたいことに意識を向けられます。
また、以前に行った価値基準と今回のものを比較することで、自分自身の成長や変化を具体的に把握することができます。
それは自分自身を理解するうえで、きっと役立つものになるでしょう。
私が提供するコーチングでは、達成したい目標に対する価値基準の明確化を行っています。
上述したワークはあなたが一人で行うために簡略化されていますが、実際のセッションではさらに多層的なアプローチを採ります。
具体的には、価値観をさらに細かく定義したり、それを人生全体の価値観とどのように連動させるかなど、より深い探求を行います。
また、価値観と行動は密接に関連しています。
例えば、やめたいと思っているにも関わらずやめられない行動がある場合、それは価値基準と関連していることがあります。
そのような場合には、価値基準の順位を意図的に入れ替えるワークを提供することもあります。
目標に向けた価値観の明確化は容易な作業ではありません。
一人での取り組みが難しい場合も多いため、必要であればサポートいたします。
「コーチングってどんなものか分からない」「コーチと相性が悪かったらどうしよう」などのコーチングに対する不安を事前に解消できます。
まずはお試しを!
ただ読むだけでなく、日常生活で使える実践的なワークは、5分から10分のスキマ時間に取り組めるものばかり。
日常のストレスから解放され、仕事やプライベートで目標に向かって前進することができるでしょう。