エグゼクティブコーチングは、VUCAと呼ばれる複雑化した現代において、経営者や経営幹部が個人および会社の目標を達成するためのサポートとして、ますます重要視されてきています。
しかし、その費用については定価という概念がなく、疑問に感じている人も多くいます。
本記事では、エグゼクティブコーチングの費用に関する基本情報を提供し、海外の事例も踏まえながら、コストに影響を与える要因について詳しく解説します。
コーチングの基本費用
コーチングの費用はコーチングの種類によって変わります。
スポーツのコーチングやライフコーチングは比較的低価格から提供されていますが、語学やダイエットなどの需要の多いものは高額に設定されています。
ビジネスパーソンを対象としたものは、個人向けと法人向けで価格帯に差があります。
個人向けビジネスコーチングの費用
個人向けのコーチングは個人が自費で支払うことを前提としているため、割と低価格から設定されています。
コーチの習熟度にもよりますが、1時間で1万円~6万円前後が主な価格帯になります。
著名なコーチの場合は10万円を超える場合もあります。
また、複数回のコーチングセッションをまとめたパッケージ商品だと、例えば4回のセッションで5万円~25万円が主な価格帯です。
企業向けのビジネスコーチングの費用
一方で、企業向けコーチングの場合は、企業が依頼主となります。
従業員や管理職向けに実施されたコーチングのレポートなどを提供1することもあり、その分費用は個人向けよりも高くなります。
企業向けの場合は、1人1時間あたり2万円~10万円くらいが相場になっています。
企業向けのパッケージ商品は多種多様なため、価格帯も様々ですが、50万~1,000万円を超える契約もあるでしょう。
エグゼクティブコーチングの費用
エグゼクティブコーチングは企業向けが基本的です。
企業が経営者や経営幹部、次期幹部候補などのリーダシップ開発や組織開発、目的達成などのサポートに活用しています。
価格帯は4万円~13万円くらいですが、大企業の経営者などを対象にしたものは青天井になっています。
海外事例
日本のコーチングは海外と比べてまだまだ発展途上です。
コーチングもいずれ欧米を追いかけるように日本に広まるでしょう。
その際、現在の海外の状況が参考になると思いますので、海外のエグゼクティブコーチングの価格帯を見ていきましょう。
※ 価格は2024年にインターネットで調べられる範囲の参考値です。
アメリカ
アメリカはビジネスコーチングだけでなく、あらゆる分野でコーチングが普及しています。
すでに幹部だけでなく、一般社員にもコーチングをつける企業も出始めているそうです。
アメリカのエグゼクティブコーチングの費用は1時間あたり8万円~30万円くらいです。(1USD=160JPY)
日本と比べると倍近い価格帯になっています。
また、著名なコーチや大企業の経営者向けになると更に高額になります。
大統領のコーチも行ったことで有名なアンソニー・ロビンズのコーチングの年収は1億円という話もありましたね。
イギリス
イギリスでもエグゼクティブコーチングの需要は高く、ロンドンを中心に高品質なコーチングが多く提供されているそうです。
エグゼクティブコーチングの費用は6万円~20万円が一般的のようです。(1GPB=202JPY)
日本よりやや高いくらいでしょうか。
タイ
アジアでもコーチングは徐々に広まりつつあります。
タイでは、10年前は大企業の役員のみだったようですが、現在は中小企業含めて必要なものという認識が広まっているそうです。
費用は2万円~4万円が一般的のようで、日本と比べても安価となっています。(1THB=4JPY)
費用に影響を与える要因
エグゼクティブコーチングの費用は様々な要因により変動します。
以下に、その要因を挙げていきます。
コーチの経験と資格
コーチの経験や資格は、費用に大きな影響を与えます。
経験豊富なコーチや、国際的な認証を持つコーチ(例えばICF認定コーチ)などは、高い料金を設定する傾向があります。
アメリカではすでにICF認定コーチ以外は法人コーチとして活動できない状況とのこと。
また、特有の業界に対する知見の多さも、料金に影響する場合があります。
コーチングの形式
個別コーチングとグループコーチングでは料金が異なります。
個別コーチングはパーソナライズされたサポートを提供するため、一般的に費用が高くなります。
一方、グループコーチングは複数の参加者がコストを分担するため、一人あたりの費用は低くなります。
コーチにとっては1時間あたりのセッション単価を上げられ、クライアントは一人あたりの費用を下げられるため、個別コーチングより好まれる傾向にあります。
個人のパフォーマンス改善や行動変容を目的とする場合は個別コーチングが適しており、チームの一体感の醸成やパフォーマンスの向上を目的とする場合はグループコーチングが選ばれます。
セッションの頻度と期間
コーチングセッションの頻度や全体の期間も費用に影響します。
毎週セッションを行う場合や長期間にわたるプログラムは、一度に支払う総額が高くなることがあります。
ただし、長期契約による割引が適用される場合もあります。
また、長期契約をした場合でも、月額で支払うなどのオプションを設けている場合もあります。
業界特有のニーズ
特定の業界に特化したコーチングは、その専門性に応じて高額になることがあります。
例えば、テクノロジー業界や金融業界のエグゼクティブコーチングは、業界特有の知識やスキルが求められるため、料金が高めに設定されることが多くあります。
エグゼクティブコーチングの価値
エグゼクティブコーチングは高額な投資と見なされることがありますが、その価値を考慮すると、費用対効果が高いと評価されています。
コーチングを受けることにより、以下のような効果が期待できます。
リーダーシップスキルの向上
エグゼクティブコーチングは、経営者や経営幹部、次期幹部候補などのリーダーシップスキルを向上させる良い機会となります。
コーチはクライアントが自己認識を深め、効果的なリーダーシップ戦略を開発するのをサポートします。
ストレス管理とワークライフシナジー
上級管理職は多忙なスケジュールと重い責任により、ストレスを感じやすくあります。
コーチングで、頭の中を客観的な視点を交えて整理できることは、ストレスの緩和や次の行動を起こすための原動力になります。
また、プライベートで問題があれば、そちらを解決することで仕事のパフォーマンスも上げることができます。
忙しいからこそ、プライベートを大切にすることで、ワークライフシナジーを起こせるのです。
目標達成と業績向上
コーチはクライアントが明確な目標を設定し、それを達成するための具体的なアクションプランを一緒に策定します。
私たちは、問題は具体的に言えても、それをどうしたいのかは曖昧な場合が多くあります。
曖昧な目標を対話により具体化することで、無理そうだったハードルが乗り越えられそうに感じたり、行動に対するモチベーションが向上したりします。
自分との約束は何かと言い訳を付けてサボってしまいがちですが、コーチが伴走することでそれが他人との約束事になり、着実に歩みを進めていけます。
これにより一人では困難だった目標達成も業績向上にもつながる行動を取り続けていけるのです。
エグゼクティブコーチングの費用は多様であり、コーチの経験、資格、セッションの頻度および期間、業界特有のニーズなど、多くの要因によって変動します。
海外の事例を踏まえると、エグゼクティブコーチングは高額である一方で、その価値は非常に高いと評価されています。
リーダーシップスキルの向上、ストレス管理、目標達成など、エグゼクティブコーチングが提供する多くのメリットを考慮すると、投資としての価値は十分にあると言えるでしょう。
エグゼクティブコーチングを検討する際には、コストだけでなく、コーチの経験や専門性、提供されるサポートの質を総合的に評価することが重要です。
適切なコーチを選ぶことは、個人および組織の成長と成功に寄与します。
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脚注
- 契約にもよりますが、基本的に個々のコーチングセッションで話された内容は、守秘義務により会社や上司にも開示されません。 ↩︎
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