依頼とは単に「やってくれ」と頼む行為以上のものです。依頼した結果が期待通りでないと感じるとき、その原因は、依頼する側とされる側、双方に問題があるかもしれません。仕事で成果を出すためには、依頼の仕方が非常に重要です。しかし、多くの人がこのスキルを過小評価しています。このニュースレターでは、依頼の成功に必要なポイントを解説します。
こんにちは、
Life Quest Allianceの福永です。
先日、あるクライアントから「新システムの導入が計画通りに進んでいない」という相談を受けました。
話を聴くと、クライアントと担当者の間で設定された目標(Goal)に違いがあることが明らかになりました。
誰もが何かを依頼した際、期待した結果と異なるものが返ってくる経験をしたことがあるでしょう。
「もっとこうして欲しかったんだよなぁ」と思うことは、ビジネスの場だけでなく、家庭内でも頻繁に発生します。
ただ、依頼された相手が意図的に違うことをしたというわけではないことが多いです。
むしろ、相手は一生懸命に作業を行い、その結果があなたの期待とは異なるものになってしまったはずです。
心理学NLP(神経言語プログラミング)には、「人は、持てる限りのリソースを使って最善を尽くしている」という前提があります。
依頼の結果が期待外れであっても、それは相手がその時点でのスキル、マインドセット、知識、経験、体調、感情の中で最善を尽くした結果なのです。
ただ、相手が最善を尽くしたからと言って、それが容認できるとは限りません。
そこで、依頼をする際に満足いく結果を得るための具体的な方法を3つご紹介します。
1.作業のその先のイメージを共有する
例えば、子供に「お肉を買ってきて」と頼む場合、その肉で何を作るのかも明示すると良いでしょう。
そうすることで、適切な種類の肉が選ばれやすくなります。
子供にとって「お肉を買う」ことだけが目標であれば、その先にある料理までイメージしてくれるかはわかりません。
依頼の最終的な目的や背後にあるイメージをしっかりと伝えましょう。
2.依頼内容を具体的にする
「お肉」と一言で言っても、豚肉、牛肉、鶏肉など多くの選択肢があります。
さらに、豚肉一つ取っても、ひき肉、バラ肉、ロースなど、さらに細かな選択肢が存在します。
依頼する際には、結果の具体的なイメージを持ち、それを詳細に相手に伝えることが重要です。
3.進捗状況を確認する
初めての依頼であれば、購入前にカゴの中身を確認するなど、状況をチェックしても良いでしょうし、繰り返しの依頼であれば、完全に任せることも可能です。
依頼の進捗確認は、相手のスキルや経験に応じて、その頻度や深度を調整しましょう。
相手の経験やスキルに応じて、適切に作業を確認し、必要であれば調整を行うことが大切です。
実は、「人は、持てる限りのリソースを使って最善を尽くしている」というのは、依頼する側にも当てはまります。
依頼者が上記のようにどれだけ細かく指示や確認ができるかは、その人自身の「最善」のレベルに依存しています。
したがって、もし依頼される側に立った場合は、以下のポイントを自ら確認することが有用です。
1.相手の頭の中にある、作業のその先のイメージを確認する
2.依頼内容を具体的に確認する
3.定期的に進捗を報告し、問題点がないかのチェックを受ける
依頼する側とされる側、双方がこれらのポイントを実践することで、「もっとこうして欲しかったんだよなぁ」というケースは大幅に減少するでしょう。
冒頭で触れたクライアントのケースでは、全体像を把握していたクライアントと、タスクの一部にのみ集中していた担当者との間に明らかなギャップが存在していました。
このギャップを早期に解消していれば、プロジェクトの成果は異なるものになっていたでしょう。
しかし、過ぎたことには手の打ちようがありません。
このクライアントは現在、元の目標に再度焦点を当て、現状という新たなスタート地点から計画を見直しています。
今週のHiro’s本棚
科学的アプローチで「能力」をアップグレードする「インナーサイズ(脳のエクササイズ)」を紹介した一冊。
「コーチングってどんなものか分からない」「コーチと相性が悪かったらどうしよう」などのコーチングに対する不安を事前に解消できます。
まずはお試しを!
ただ読むだけでなく、日常生活で使える実践的なワークは、5分から10分のスキマ時間に取り組めるものばかり。
日常のストレスから解放され、仕事やプライベートで目標に向かって前進することができるでしょう。